日本の花たち4
このような草本性の花 種の発達は、江戸期の花卉園芸文化が中流、下流に浸透することを容易にした原因の一つにもなっている。
これらの中で重要であり、かつ歴史もはっきりしているのはハナショウブである。
ハナショウブの類は日本では、カキツバタ、イチハツ、アヤメ、ハナショウブの四種がある。
カキツバタは「万葉集」にあらわれ、美術資料にも多く登場しており、歴史的にはいちばん古い。
しかし花卉としての発達はよくなく、現在では約二〇品種がある程度である。
イチハッは中国原産で、古代にたぶん薬用植物として日本に渡来したとみられるが、その年代は不明である。
古くから風害を防ぐ迷信で、屋根の上に植えられたことで知られており、白色、紫色の二品種しかない。
アヤメは日本各地にあるが、元禄から現在まで紫、白の二品種だけが知られるにすぎない(明治初年には五品種が記録されているが、いまは失われている)。